マッチングアプリで知り合った相手から、
「今度、電話しない?」
と言われることがあります。
会う前に声を聞いてみたい。メッセージだけでは分からない雰囲気を知りたい。
そう思う気持ちも分かるのですが、私は昔から電話がめちゃくちゃ苦手です。
これまで付き合った人たちは、なぜかみんな電話好き。こちらが電話を断ると不機嫌になる人もいて、正直「面倒だな……」と思ったこともありました。
電話だと相手の表情が見えないので、沈黙があるたびに、
「今の返事、変じゃなかった?」
「つまらないと思われてない?」
と気になってしまう。
一方で、顔が見えるビデオ通話なら、私はまだ話しやすいほうでした。相手が笑っている、うなずいている、少し考えている。そんな反応が見えるだけで、ずいぶん安心できたからです。
今の夫とは、結婚後に単身赴任の期間もあり、以前より電話をするようになりました。
電話に慣れたというより、夫だから電話できるのかもしれません。
考えてみると、電話が好きか嫌いかは、性別だけでなく、相手との関係や安心感によっても変わる気がします。
マッチングアプリで会う前の電話は必須ではない
Pairsやwith、Omiaiなど、アプリ内で音声通話やビデオ通話ができるサービスもあります。
電話番号やLINEをすぐに交換せず話せる機能は、初対面の相手と会う前の選択肢として便利です。
会う前に一度話しておけば、声の雰囲気や会話のテンポが分かり、当日の緊張が少し和らぐ人もいるでしょう。
ただし、通話機能があるからといって、会う前に電話をしなければいけないわけではありません。
メッセージのほうが落ち着いて話せる人もいれば、文章を続けるより短く電話したほうが楽な人もいます。
どちらが正しいというより、自分が安心して相手を知れる方法を選ぶことが大切です。
電話が苦手なのは、会話が苦手だからとは限らない
電話には、対面やビデオ通話とは違う難しさがあります。
- 相手の表情やうなずきが見えない
- その場で返事をしなければならない
- 沈黙の意味が分かりにくい
- いつ終わるのか読みにくい
- 急にかかってくると気持ちの準備ができない
対面では普通に話せるのに、電話になると緊張する人がいても不思議ではありません。
電話に不安を感じる人ほど、音声通話よりテキストでのやり取りを好む傾向が見られた研究もあります。電話への苦手意識は、珍しいものでも、相手への好意が足りない証拠でもありません。
私の場合は、相手の顔が見えないことが大きかったのだと思います。
表情が見えれば、少しくらい言葉に詰まっても、「考えているだけなんだな」「嫌な気持ちになったわけではなさそう」と受け取れます。
だから音声だけの電話より、ビデオ通話のほうがまだ話しやすかったのでしょう。
男性のほうが電話好き?男女差だけでは説明できない
私がこれまで出会った男性は電話好きな人が多かったので、
「もしかして男性のほうが電話が好きなの?」
と考えたこともあります。
でも、調べてみると、男性のほうが一律に電話を好むとは言えませんでした。
男女で通話時間や使い方に違いが見られた研究はありますが、その結果は一様ではありません。女性のほうが通話時間が長い傾向を示した研究もあれば、大切な個人的な話を長電話でする割合に大きな男女差はなかったという調査もあります。
つまり、「男性だから電話好き」「女性だからメッセージ好き」と単純に分けるのは難しそうです。
電話が好きな理由も、人によって違います。
- 文字を打つより早い
- 声を聞くと安心する
- 好きな人とは常につながっていたい
- メッセージより気持ちが伝わると思っている
- 沈黙をあまり気にしない
これまでの恋人たちは、電話を愛情表現や距離を縮める方法として捉えていたのかもしれません。
一方の私は、電話を「すぐに返事をし続けなければならない時間」と感じやすかった。
同じ電話でも、受け取り方がまったく違っていたのだと思います。
夫とは電話できるのは、相手との安心感があるからかもしれない
私は今でも、誰とでも気軽に電話できるわけではありません。
それでも夫とは、単身赴任をきっかけに電話をすることが増えました。
話題を探さなくても、その日の出来事を話せる。少し黙っても、つまらないと思われたのではないかと慌てなくていい。相手がどんな反応をする人なのかも分かっています。
こうした安心感があるから、電話への緊張が小さくなったのだと思います。
恋人同士の音声通話については、通話の多さが関係への不確かさの低さや愛情・コミットメントと関連していたという研究もあります。ただし、電話を増やせば必ず関係がよくなるという意味ではありません。
安心できる関係だから電話しやすいこともあれば、電話を重ねることで安心できるようになることもあるのでしょう。
私の場合は、「電話そのものが平気になった」というより、「この相手なら大丈夫」と思えるようになったことのほうが大きい気がします。
電話を断って不機嫌になる相手に、無理に合わせなくていい
電話したいと誘うこと自体は、もちろん悪いことではありません。
でも、こちらが「電話は苦手」と伝えたときに、露骨に不機嫌になったり、好意を疑ったり、何度も押し切ろうとしたりするなら、少し立ち止まってもいいと思います。
相手が残念に感じることと、こちらに電話を強いることは別です。
付き合う前から大切にしたいのは、電話するかどうかよりも、違いを伝えたときに相手がどう受け止めるか。
「そうなんだ。じゃあメッセージにしよう」
「ビデオ通話なら大丈夫?」
「会ったときにゆっくり話そう」
そんなふうに、お互いが楽な方法を探せる相手なら、これから意見が違ったときにも話し合えるかもしれません。
反対に、自分の希望どおりにならないだけで不機嫌になる人に、毎回こちらが合わせ続けるのは疲れてしまいます。
電話が苦手なときの伝え方
電話を断るときは、長い言い訳をしなくても大丈夫です。
メッセージでやり取りしたい場合
電話が少し苦手で緊張してしまうので、もう少しメッセージでお話しできたら嬉しいです。
ビデオ通話なら話しやすい場合
音声だけの電話が少し苦手で、顔が見えるビデオ通話のほうが話しやすいです。よかったら10分くらいお話ししませんか?
急な電話が苦手な場合
急な電話だと緊張してしまうので、先に時間を決めてもらえると助かります。
会って話したい場合
電話より直接会ったほうが話しやすいタイプなので、当日ゆっくりお話しできたら嬉しいです。
大切なのは、電話が苦手なことを謝り続けるのではなく、自分が話しやすい方法も一緒に伝えることです。
会う前に電話するかは、自分で選んでいい
会う前に電話をすると安心できる人もいます。
電話をせず、まずは短時間会ってみたい人もいます。
音声通話は苦手でも、ビデオ通話なら話しやすい人もいます。
どれを選んでも間違いではありません。
電話が苦手だからといって、コミュニケーションが苦手とは限らない。電話を断ったからといって、相手に興味がないわけでもありません。
私自身、夫とは電話ができるようになって、相手との安心感によっても話しやすさは変わるのだと気づきました。
連絡の取り方も、恋愛の進め方も、どちらか一方が我慢して合わせるものではないはずです。
自分が安心できる方法を伝えて、それを尊重してくれる相手かどうかを見る。
それも、相手を知っていく大切な時間だと思います。

